学生のときに、高校生の家庭教師をしていました。
その子の家は東京のはずれだったのですが、私の下宿から電車が1本だったので、週に一回30分ぐらいかけて往復していました。就職するまで3年ぐらい、家庭教師をやりました。
お金持ちの家で、敷地は小さな遊園地ぐらいありました。庭に行くと、迷子になります。家は古い日本家屋で、何畳かわからないぐらいの広い畳の部屋が襖で分けられていました。
頭が良い秋田犬がいて、よくしつけられていました。
その高校生は、結局合計で8年ぐらい海外の学校で勉強したんでしょうか。日本に帰ってから、お父さんの仕事を引き継いだということは聞きましたが、連絡は途切れていました。
先日急に「会いましょう」とメールで連絡があり、昨晩、自動車を飛ばして私の家まで来てくれました。15年ぶりぐらいですよ。
懐かしいけれども、変わらないですね。高校生になれば、人間も、もう固まるのですね。違和感はありませんでした。
話し方も話す内容も、彼の内面そのものからでした。
お父さんは、不動産の仕事を中心にしていたのですが、彼が会社を引き継いでからもう増やすことはやめにして、自宅以外はほぼ全て、店もマンションも、賃貸にしたそうです。その代わり、会社を買い取って、新しい、私の仕事と関連する事業を始めたということです。
で、不定期に仕事を手伝ってくれないかという、副業のスカウトです。
面白いですね、家庭教師をした学生から仕事の話が来るとは思いませんでした。私の知識も使えるはずなので、ちょっと、手伝ってあげることにしました。
私の事業になる可能性もありますよ。
「実家はどうするのか」と聞くと、「残念だけれども、いまのままではとても相続税が払えないので、つぶしてちょっと大き目のショッピングセンターにする」ということでした。