管理会社破綻と少額訴訟の裁判6

ノックして部屋に入ると、裁判官ともう一人の方が、おやっというような顔をするので、名前を告げ、裁判に来たことを伝えました。

ああそうか、というような顔をして、座る席を指定されました。

のんきな様子に、気が抜けるとともに安心もしました。

被告の清算人は現れていませんでした。

「では、時間になりましたので、裁判を始めます」というような調子で、裁判が始まりました。

私の提出した書類を確認し、現在、会社が清算中であることを確認しました。さらに、まだ、被告が返済をしていないことを確認しました。

その間、もう一人の人は、メモをしていました。そういう役割なのですね。

裁判中、結局、清算人は現れませんでした。答弁書その他の準備書面も提出されていなかったとのことでした。

で、ちょっとまじめな雰囲気になって、「村兵衛の主張を認める」という意味の判決が出ました。

少額訴訟の裁判では、判決が下りた日の翌日から2週間以内に異議の申し立てがなければ、判決が確定します。判決が確定すると、判決内容で争うことはできません。

その後に判決書が郵送されるわけです。

判決が終わってから裁判官が、今日来たのかどうやって来たのかを聞き、優しい口調で言いました。

お金が返ってくるといいですね。

その優しい口調から、回収の難しいことがわかりました。

勝訴して、私はある種の満足感はありましたが、本当は、被告と話をしたかったのです。少額訴訟で勝訴しても、強制執行をするのが難しいことはわかっていました。この裁判で被告と話が出来ることは、回収に向けてのチャンスだったのです。

「今後は、清算人と個人的にやり取りをしなければならない」、そう思って、地下鉄に乗り、清算人の住むマンションの区役所に向いました。

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