後藤 総志さんの「ワンルームマンションは8年で売りなさい」読みました

昨日、出張行きの電車の中で「ワンルームマンションは8年で売りなさい」を読みました。これは、たろうさんに教わってHOME’S不動産投資フェアでもらったものです。

不動産の装丁と言えば、ごま書房新社の私には手に取るのも恥ずかしいような毒々しいものが多いのですが、この本は白を基調に、青めのモスグリーン、黒に、アクセントとして淡いオレンジを加え、すっきりしてセンスがいいです。著者の後藤 総志さんの写真も載せていますが、まじめで明るそうな良い写真です。

「めずらしいじゃん、これ」と思ってデザインを見ると、中畑 慶衣子さんでした。中畑さんは頑張っていますね。

毒々しいのとさわやかなのと、どちらが売れやすいかはわかりませんが、「他の本と違うぞ」と見せることはできています。

で、読み始めると、「他の本と同じじゃん」、いや、もっと悪いかも。

ハイリターン(高利回り)といっても、、、、 (中略)、平均すると、だいたい年率9%前後の実質利回りです。 (略)

銀行の定期預金の金利は平均で約0.03%、国債は1%以下というのが現状です。そんな中、安定的に9%前後の利回りが得られるというのは、十分に高利回りだといえるのではないでしょうか。

実質だろうと、利回りを貯金の金利と比べてはいけないのは、常識でしょう。売買の計算も、物件の値下がりを考慮に入れたり入れなかったり恣意的ですし、管理費や修繕積立金、固定資産税・都市計画税など、説明がほとんどありません。管理会社や家賃保証会社の倒産だってあるでしょう。

楽しい、問題のない、理想的な話が続きます。

「まあ、いいか、良い場所の良い中古ワンルームを安く買えば良い、といっているのだから」。電車の中やることもないので、自社の宣伝を読み続けました。

感じが変わったのは、第6章「ワンルームマンションで、節税・相続対策」からです。

相続税について、中古ワンルームマンションでは大きな売りにはならないと想像しますが、相続税の仕組みや節税の方法が、かなり客観的にまとめられます。

第7章「賃貸経営の成功は管理次第!」では、今まで「中古ワンルームを買えばほっておいても大丈夫」という論旨で書かれていたのが変わり、管理形態、自主管理やサブリースの問題など、「自分のところに任せてください」ということではあるのですが、ありうる問題が書かれています。さらに、「ずさんな管理状態を立て直すには」という節では、「さっさと売って他を探すことです」や「自分が総会に出席して組合員として内部から改善案を出していくのです」など、なかなか他の本では見られない記述も現れます。

危険や問題点について、やっと真面目に述べられます。

第8章の「中古ワンルームマンションを高く売るには」、では「中古ワンルームマンションは8年で売りなさい! の3つの理由」として、あまりにも長い未来は予測できない投資は利益確定してこそ収支がわかる定期的な資産の組み換えで、時流に合ったポートフォリオが構築できる、と大変まともなことが書かれます。

最後に簡単ではありますが、マンション売買の諸費用についてもまとめられます。なかなか、ワンルーム関係の本では見られないことです。

自社宣伝の本なので、前半では風呂敷を広げないわけにはいかないんでしょうね。初心者をあおって夢を与える。「とにかくわれわれからマンション買ってほしい」。その後の話も、「自社を使って」というメッセージではありますが、より情報の多い、落ちついた書き方です。

売り込みなしに書こうと思えば、もっとバランスの取れた、面白い本を書けるのでしょう。

林 勇介さんの本も、前半は将来を怖がらせる記述が続きましたが、自分のセミナーに来てもらうことを考えた場合に、「まず怖がらせることだ」と計画を立てたのでしょう。

本を売ることが目的ではないので、仕方がありませんね。

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後藤 総志さんの「ワンルームマンションは8年で売りなさい」読みました への8件のフィードバック

  1. たろう のコメント:

    いわゆる
    自費出版?

    読みやすかったと思いますが、
    ぴおほうさんのところしか記憶がありません。
    あはは

    • 村兵衛 のコメント:

      たろうさん、こんにちは。
      私は、最後のほうは、おぼえていますよ。

      こういう本は、直接、情報を得るというよりは、「どうやって顧客を増やそうか」という会社の考え方がわかるので、面白いです。
      本の前半では、今までと同じ論理で顧客を増やそうとしているのがわかりました。

  2. 零細オーナー のコメント:

    ささいな疑問なんですが、なんで八年なのでしょうか?五年なら税金の話があるので、何となくわかるのですが…。

    • 村兵衛 のコメント:

      零細オーナーさん、本から引用します。

      また、「安く買い、高利回りで貸し、高く売る」というきらめきメソッドでは、購入から8年たっていれば、ローンを組んでいても「売却額 + 累積賃料 > 残債」の公式が成り立ち、いつでも手放すことが出来る状態になっているはずです。

      とのことでした。
      私も、「8年というのは、まあ、いい目安かな」と思いました。

  3. 零細オーナー のコメント:

    村兵衛様

    ご説明ありがとうございます。不動産は取引にコストが掛かるし、私も八年というのは感覚的にはありかなという気はします。

    でも引用文中の公式については、八年経ってその公式すら満たしてないようなら、悲しいですね。

    • 村兵衛 のコメント:

      零細オーナーさん、この本で売却時期の目安を書いてあるのは、初心者の読む不動産投資本では珍しいと思います。
      著者の後藤 聡志さんがやる気になれば、もう少し、面白い本にもなったかと思います。

      まあ、この式に当てはまらなかった場合、悲しいけれども購入者の自己責任だと思います。

  4. 1Rと地方木造1棟 のコメント:

    8年の根拠は
    ・500万の中古区分×8戸=4000万=サラリーマンの与信上限
    ・8年目からは毎年売却の媒介も取れるから
    少しひねくれてますかね~?

    • 村兵衛 のコメント:

      1Rと地方木造1棟さん、そんな思惑もあるかもしれませんね。

      日本財託グループの重吉 勉さんも
      東京の中古ワンルームを3戸持ちなさい」と書いていますが、この3戸というのも与信を考えてのことかもしれません。

      まあ、重吉 勉さんから買っても、後藤 聡志さんから買っても、十分安く変えるならば、損する可能性は小さくなると思います。

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