立派な人との別れ 4

この記事はフィクションです

私は、少額訴訟に勝訴し、その支払い請求を続けていましたが、裁判に出席さえしなかったことからわかるように、精算人はこれを無視し続けていました。

そこで、私は精算人の個人情報を調べ、インターネットの掲示板にさらしました。さらにでたらめも書きながら他の「オーナー様」の行動を誘発して、精算人を精神的に追い詰めようとしていました。

そうすれば、返還を求めている私に家賃を返すかもしれません。

しかし、精算人はこれぐらいの揺さぶりでは動きませんでした。

一度、待ち伏せして会って話しましたが、それがなんだというのでしょう。

私は、精算人にとっては、多少うるさい「オーナー様」の一人に過ぎません。このままでは、何も進まないでしょう。

私は勝負に出ることにしました。

マンションの部屋番号や電話番号や自動車番号などをさらし、「行けば家賃を返してくれるから、部屋まで行ったほうが良い」と掲示板に書き込んだのは、実は私であることを手紙に書き、精算人に送りました。

さらに、駐車場で待ち伏せした一人も私だと手紙に書きました。

「大変ひどいことをした。警察に行ってもらっても構わない。もうしないので、少額訴訟の判決に従ってほしい。そうしたら、計画している被害者の会の裁判からも抜ける」

はっきりと、私が精算人の生活を脅かそうとしている人間だと告げました。警察沙汰になるのを避けたいのは精算人のほうだろうから警察に言うことはないと踏んでいましたが、決心をしての手紙でした。

少額訴訟の判決の通り、私に家賃1か月分と年利5%の利子だけ払えば、精算人は私の変質狂的な嫌がらせから解放されるのです。

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立派な人との別れ 4 への2件のフィードバック

  1. 1Rと地方木造1棟 のコメント:

    村兵衛さん

    誰が何と言おうとこの架空人物はカッコ良いです。
    世間の評価は知りませんが、見習うベキ一面だと思います。

    • 村兵衛 のコメント:

      1Rと地方木造1棟さん、私は、立派な人のほうがかっこいいと思います。
      私の行動の根本は、「『責任を持って返す』と言ったのだから、返してもらおう」、という感情的なものでした。

      しかし、やらずにはいられませんでした。

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