この記事はフィクションです。
つまり、立派な人は、私に被害者の会のメンバーとしての規律を守り、私の個人的な少額訴訟の勝訴については保留することを望んでいるのでしょう。
さて、どうする。
立派な人のやり方はまさに「正面から悪に立ち向かう」という形のもので、「正しい」けれども、私ははじめから大きな期待を寄せていませんでした。
私以外に清算人へのいやがらせが増えたな、ぐらいの気持ちでした。
しかし、ここで裁判メンバーから抜けてせっかく増えた大きな嫌がらせを失うことには抵抗があります。また、この裁判をすれば、ひょっとすれば和解などしていくらかの家賃が帰ってくる可能性もあります。
裁判に参加するだけして、負けたのならば、私は嫌がらせを再開して、少額訴訟勝訴の結果どおり、清算人にはまた家賃と利息を請求すればよいでしょう。
私はメールで、「少額訴訟に勝っていたので、その分を請求していた。被害者の会全体でまとまらなければいけないときに、申し訳なかった。もう、個人での請求はしない」と、立派な人に謝罪しました。
特に返答は、ありませんでした。
このメールの後、立派な人からの連絡は、メーリングリストを通したもののみになり、活動の詳細を私に連絡してくることはなくなりました。
立派な人は私を嫌い、私はお荷物メンバーの一人となりました。
「まあ、仕方がない」とあきらめ、「裁判の結果を見るか」と、ある種のんびりしたお任せの気持ちになりました。「やれることはそうないだろう。すぐ、裁判は終わるだろう」
私の予想に反し、この後、立派な人は事件の確信に迫っていくのです。