太陽光発電による電力買取はゲーム

ベアーさんから、「太陽光発電ってお遊びなんですかね?」とコメントをいただきました。

ベアーさんは太陽光発電にも精力的に取り組まれていて、ブログの記事は大変貴重だと思います。「お遊び」という言葉は適切でなかったかもしれず、気にされたら申し訳ございませんでした。多分、「ゲーム」という言葉が一番良いかもしれません。

コメントに返事を書いていたら長くなったので、記事にさせていただきました。ベアーさんへのお返事が記事になるのは、これが2回目です。

————————————————

ベアーさん、ブログの記事も読ませていただきました。

政府が本質をずらして何か別のことをやろうとしているのだというご意見は、その通りだと拝読いたしました。

太陽光発電売買は、お金を少し動かしたりクリーンなエネルギーに配慮していると思わせたいための政府主催のゲームだと思っていますが、このゲームに参加することはどんな意味でも悪いことではなく、私も出来るなら参加したいと思っています。

また、私は、「例えば200年後には太陽光発電がエネルギーを生み出すもっとも大きな手段になるべきで、今から着実に研究を進めるべき」と思っています。太陽電池の振興には賛成です。

ゲームだと思う理由を適当に並べると、

  1. 電力会社に無理やり買い取らせる。本気だったら、税金投入するべき。どちらにしても、国民から強制的に徴収することになる。
  2. 42円だの、10 kWだの、10年だの、20年だの、根拠のない数字をルールにするのが、いかにもゲーム。
  3. もともと太陽光による発電量は微々たるものなので(0.2%ぐらい)太陽光による発電量が多少増えても、国家あるいは地球規模での変化は微小。もっと発電効率を上げないとダメ。現時点では化石燃料の有効利用を進めたほうが、エネルギー使用量も減り二酸化炭素排出量も減る。
  4. 何から作っても同じなのに、「クリーンな電気」などと言うのがファンタジー。

太陽光発電の振興には、私が本質的に重要と思う側面もあって、

  1. 災害・停電時のバックアップ電源。 ← とても重要と思います。
  2. 小型機器用の電源(ラジオとか)。
  3. 孤島、山頂、宇宙などでの発電。
  4. なんだかんだ言っても、太陽電池の発展に繋がる(特に中国・台湾)。
  5. 200年先を見据えた最初の実証実験。
  6. その他、大家さんならば、入居者サービス(電気料金低減、なんとなく安心、エコっぽくて住んでいて気持ちがいい)。

逆に現在の太陽光発電の取り上げられ方には、私が悪いと思う側面もあって、一番は、「自分や子どもの世代で、『クリーン社会』が生まれそうな幻想を抱かせる」ことだと思います。そういう純な気持ちを政治やビジネスに利用するのは、極端に自分勝手な私でも感心しません。

太陽光による発電を進めていくのは、未来のために良いことだと思います。私が参入するとしても恥ずかしい気持ちはありません。ただ、これは現在の社会を変えるだけの動きにはなりえず、いろいろな思案が交じり合った、経済の原則に沿わない特殊なルールのゲームに参加することだとは思っています。ゲームに上手に乗って、買取による収入も含めて自分の益を増やすことは出来ると思います。

私は現時点では天然ガスと石炭の有効利用を第一考え、安全管理技術を高めた後に原子力発電も利用しながらいわゆる再生エネルギーの利用を着実に(例えば年1% 弱)増やし、ごまかしながら何とか200年人類が生きながらえた後には、クリーンかつ安全なやり方でエネルギーを得ることの出来る社会が待っているだろうと夢想しています。

その流れの中で、ちょっとゲームをやってみるのは悪くないと思います。

記事を読んでいただき、さらにコメントをいただきましたこと、ベアーさんには重ねて感謝します。

カテゴリー: 毎日 タグ: , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , パーマリンク

太陽光発電による電力買取はゲーム への4件のフィードバック

  1. ベアー のコメント:

    ご丁寧な返信記事に加え、自分のブログ記事も紹介して頂き感謝いたします。
    太陽光発電に対して遊びと思われようがゲームと思われようが構いませんよ(^^ゞ

    太陽光発電の普及には経済の原則に沿わない特殊なルールがあるのはご指摘の通りだと思います。
    しかし、原子力発電しても特殊なルールはあるわけで、自分的にはかなり「お金」の動く利権の絡んだマネーゲームのように映ります。
    正直、そこには「クリーン」なイメージは全く無いです。
    実は東日本大震災での福島原発事故以前から感じていたことです。

    最近の家庭用太陽光発電システムの急速な普及により原子力発電所2基分の電力を供給するまでに至っているとどこかで聞いたような気もするのですが・・・。
    そう考えると塵も積もれば・・・じゃないですが、一般家庭の10kW未満の僅かな発電量もゴミ扱い?のように無視はできないと思います。

    誤解が無いように申しますと、自分は太陽光発電を積極的に導入しましたが、ブログでも書いた通り全て「お金」のためです。
    クリーンなエネルギーなんて幻想ですよね(^_^;)

    • 村兵衛 のコメント:

      ベアーさん、早速のコメントありがとうございました。

      原子力について、私は遊びでもゲームではなく癒着と呼んだほうが良いと思います。
      楽しい要素がまったくありません。
      原子力ビジネスは癒着ですが、原子力技術自体は、私はまだ利用できる余地があると思っています。ただ、福島の事故が生かされる状況にないのであれば、再稼動はやめるべきだと思います。

      原子力発電所2基分は、いわゆる再生可能エネルギー全体(つまり、太陽光発電+風力発電+潮力発電+波力発電+地熱発電+小水力発電+バイオマス発電など)の話だと思います。太陽光発電は、再生可能エネルギー全体の約一割をしめ、一方、原子力発電所は約50基稼動していました。

      震災前に、火力発電は約7割の発電の割合を占め、自動車はまだほとんどがガソリンなどの化石燃料で走るので、化石燃料の有効利用という地味な問題に取り組むことが、現時点では一番有効だと思っています。

      とはいえ、いわゆる再生可能エネルギーの開発は続けるべきで、ベアーさんのような取り組みは、結局は人類の役に立つだろうと思います。

      • ベアー のコメント:

        確かに今の価格では費用対効果は薄いとしか言いようが無いですよね。
        個人レベルで僅かな補助金と10年買取固定という餌を与えつつ、買取価格が48円から24円まで下がる過程で10~20年計画でより安価で発電効率のよい発電システムの開発が行なわれるべきだったのかもしれません。
        福島原発事故の影響が無ければここまで極端なエネルギー政策にはならなかったでしょうしね。
        将来的にどのように電気料金に跳ね返ってくるのかも正直不安です。

        • 村兵衛 のコメント:

          ベアーさん、

          >> 福島原発事故の影響が無ければここまで極端なエネルギー政策にはならなかったでしょうしね。

          との鋭いご指摘、ありがとうございます。
          自然エネルギーを支援する姿勢を見せ、かつ実績を示すためには、高額な買取が必要だったのだと思います。
          そして、個人はこのゲームにはうまく乗るのがいいことだと思います。←正直に言っています。

          今後、「電気料金値上げは、もう我慢できない」と思われたときが、ゲームの終わりだと思います。

          私の主張は、「ガスを利用しろ」「外国には、『原発事故で二酸化炭素排出削減は出来ません。ごめんなさい』、と言え」「その代わり、化石燃料の有効利用と原発の安全対策をを推し進めろ」、「開発した技術は外国でも使ってもらえ」、「並行して自然エネルギーの開発を進めろ」です。

          いろいろご指摘を受け、勉強になりました。ありがとうございます。

村兵衛 にコメントする コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>