2012年度経済財政白書にみる日本のエネルギー

本日、2012年度の年次経済財政報告(経済財政白書)が提出されました。これは、面白いですね。

図やグラフが沢山あって、分かりやすいです。

エネルギー関係について見てみると、

2011 年度夏季の最大電力については、東京電力管内及び東北電力管内で- 15%の電力使用制限を実施し、それぞれ- 27%、- 18%の需要の抑制が実現した。

だそうです。去年の夏は、厳しかったです。私のところでは、計画停電がありました。信号機の消えるのはとても怖いし、夜歩くのも恐ろしかったです。

あれは、精神的に厳しかったです。

過去の電源別発電比率を見ると、石炭火力は20%を下回る存在であったが、他の火力燃料と比べ、単位発熱量当たりの単価の有利さと発電に関する技術進歩(大気汚染防止技術等)により、最近では30%を超えている。LNGも発電比率が上昇しており、このところ50%弱で推移している。こうした結果、発電比率が低下してきたのが石油火力である。

石油がなくなって、とりあえずは石炭とガスになるということでしょう。ガソリン自動車もそろそろ終わりでしょうね。

火力発電設備別の発電コストの表がありました。
………………….2004年モデル    2010年モデル      2030 年モデル
石炭火力   5.7円/kWh       9.5 円/kWh       10.3円/kWh
LNG火力   6.2円/kWh      10.7円/kWh         10.9円/kWh
石油火力   16.5円/kWh     22.1~36.0円/kWh     25.1~38.9円/kWh

代替エネルギーの費用対効果としては、

例えば、太陽光(住宅)発電の発電単価は、33.4~38.3 円/kWh で
あり、建設費用については48~55 万円/kW となっている。風力や地熱の発電単価は太陽光より安く、9.2~23.1 円/kWh である。

実際に2010 年と2011 年の太陽光発電設備ストック(kW)を比較すると、全国計(除く沖縄電力管内)で前年比40.2%増(最大は中部電力管内の47.2%増、最小は東北電力管内の32.6%増)と大幅に増えている。

結論が、

一般世帯を含む需要家が事後的に確定する支払超過額を負担する仕組みであるから、買取価格やサーチャージの設定・改定段階において、価格設定の妥当性や費用効率につき、検証することが必要である。こうした関連部分も含めて公共料金と見做し、公正妥当な改定をしていくことが望まれる。

公共料金と見做しというのは、強い言い方ですね。

この結論が不思議なのは、7月から政府が命令して新しい買取制度を開始させたのに、内閣府の意見は「買取高すぎるんじゃないの?」とちぐはぐなところです。意思の統一が取れていないのか、あえてやっているのか(マッチポンプ??)、私には分かりません。

ゲームの終わりは電気利用者の不満からだと思っていましたが、思わぬところからゲーム終わりの声が聞こえてきそうです。このゲームは私が思ったより早く終わるかもしれません。

余剰電力買取金額を下げて、石炭とガスを主にしていけば、たぶん電気料はそんなにあがらないでしょう。だからこそ、今、歪んだ制度の隙間をつき、太陽光発電を行うのだという考えも、私には理解できます。

環境問題への言及はあまりなく、研究開発はともかく、多分、しばらく国として二酸化炭素削減に本気で取り組むつもりはないのだと思います。私は、それがいいと思います。

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2012年度経済財政白書にみる日本のエネルギー への2件のフィードバック

  1. ベアー のコメント:

    少ししか見ていないのですが、原子力発電に関する言及は無いのでしょうか?
    確かに太陽光発電の増加によりサーチャージの負担も2~3倍になっているというのはそういう仕組だから当然という感じがします。
    結局はパフォーマンスで「太陽光促進するよ!」と言って、いざ普及が急激になったら「だから最初から国民の電気料金の負担が大きくなるって話だったでしょ?太陽光なんて促進できないよね??やはり原子力でしょ?」と洗脳していくのでしょうか。
    石炭火力がもっともっと注目され、国内唯一の産炭地である当地に恩恵があればとは思います。

    • 村兵衛 のコメント:

      ベアーさん、資料中では「第3節 持続的成長への課題」「3 電力供給制約の克服」が一番関係すると思うのですが、その中では

      原子力発電の減少分を補うためには、既存の発電所の稼働率を上げるか、休止中の発電所を稼働させることになる。いずれの場合にせよ、火力発電における発電比率が高い石炭火力の稼働率はすでに高く、十分な余力が無いため、LNG火力発電や高コストの石油火力発電の稼働率を上げたり、休止中の施設を再稼働させたりすることで対応してきた。大震災以後の原燃料価格の推移を見ると、石炭は横ばいで推移しているものの、原油やLNGはリーマンショック後の底値から倍増しており、コストの高い電気を作っていることになる。

      原子力発電所の停止と燃料費の高騰する火力による代替発電に直面する中、地域独占の電力会社が業務効率化を果たすことで価格上昇の抑制を図るべきではないかとの見方も散見される。

      などでしょうか?原子力発電の将来については、言及していないと思います。

      内閣府の矛盾は、私にはどう解釈したらよいのか分かりません。いずれにせよ、ゲーム終焉はかなり近い可能性もあります。

      石炭は、どんどん重要になると予想します。中国のように、北海道はあえて石炭をあまり生産しないことも必要だと思います。

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