以前、「満室経営新聞」に載っていた尾嶋 健信さんの記事に関する感想を書いたとき、たくさんコメントをいただきました。尾嶋さんはお金をもらってアドバイスしたわけではありません。タダでアドバイスを頼んだ大家さんのマンションが満室にならなかったとしても、ご自分の評判に響くだけで、別に悪いことをしたわけではありません。
アドバイスを受けた方は、みなさん学ぶところがあったようです。
「この人は、要領が悪いなぁ」と思いました。逆算して、満室になる人をあらかじめ選べばいいのに、きっと選ばなかったのでしょう。そういうところが信じられるような、逆にアドバイスを受けたくないような、面白い人です。
私の記事に律義にコメントをくださったのも大変好感を持ったのですが、「営業的にプラスになるのかなぁ」とも思いました。
尾嶋さんは、「満室経営新聞」に「入居を決める! 満室革命ノウハウ」という連載を持っているのですが、Vol. 26の「満室を引き寄せる「決め外観」撮影のポイント」という記事を読んで、以前のことを思い出しました。
尾嶋さんは
そこで、今回は、「満室を引き寄せる『決め外観』撮影のポイント」についてお話しします。
▼質問です。「写真1」を見てどう思いますか?
上記の写真は賃貸経営に熱心に取り組む、神奈川県小田原市在住の大家Nさんがコンパクトカメラで撮影した写真です。
尾嶋さんの言うように、この写真は
1.建物本体だけでなく、その周辺も写り込むようにする。
2.天気予報をチェックして「晴れた」「風の強い」に撮影。
3.「11~14時くらい」の時間帯が狙い目。
を満たしていません。
Nさんは、これを満たした写真を撮ってきます。
Nさんは上記のポイントを参考にして、同じコンパクトカメラで再チャレンジしたのが次の写真です。思わず問合せたくなる「決め外観」だとは思いませんか?
まったく思いません。この写真は、ひどいですよ。
- 右上に電柱と夜光灯らしきものが写っていて、見苦しいです。
- 電線が画面を横切っていて、駐車場には影まで映っています。広々した感じが消えました。
- ベランダには一番見えるところに洗濯物が干してあって、布団はだらんと垂れ下がっています(いい天気だったんですね!)。生活感丸出しで、夢がありません。
- 手前の自動車は、軽自動車でしょうか?これも、安っぽい感じを与えます。
いい写真の例にしたいなら、もらった写真から、電柱、夜光灯、電線と影を画像処理ソフトで消して、
「ほら、よくなったでしょう!後は、洗濯物の干していない時を探し、軽自動車が隠れるようにちょっとおしゃれな車を前に置いたら、『決め外観』になりますよね。」
といったような記事にすればよかったのに、と思いました。
尾嶋さんは、自分のアドバイスに従ったNさんを褒めてあげたかったし、写真にソフトで手を入れることなどしたくなかったのでしょう。
そういうところが、信じられるような、アドバイスを聞いても仕方ないような、尾嶋さんの面白いところです。