「40代からの堅実不動産投資」読みました。

沢 孝史さんの「40代からの堅実不動産投資」という本を読みました。

評判も良い本のようです。現在の不動産投資の状況が分かりやすくまとめられていて、私にも勉強になりました。

もっと具体的にいえば、懸命に働いて日本を支えている多くのサラリーマンや自営業の人たちと同じ目線、仲間として、自分たちが「経済的により良い人生」を送るために今考えるべきこと、するべきことを伝えなくてはと思ったのです。

と、謙虚な姿勢で、ご自分の体験に基づいた堅実な不動産投資について述べられています。

私は、この本は、そのような方々向きではないと思います。

この本の根底には、「『お宝不動産』を見つければリスクは少ない」という考えが流れているように思います。

そこで、40代から始めるならば、

  • 建築して間もない築浅物件
  • 構造的に堅固な物件

のなかで、十分なキャッシュフローを生み出すお宝物件を見つけ、堅実でリスクの少ない経営を行う。「15年から20年で返済完了」するような計画を立てれば、良いのではないか、ということになるのでしょう。

一方、沢さんの書かれた近未来では、「少子高齢化」「消費者は無駄な出費を控えることになる」「人口がこれから減っていく」とありますし、住宅の供給過剰は、知られている通りです。そこで、入居者資源はどんどん限られていきます。

このような状況でお金を生み出すお宝は、「不動産」ではなく「入居者」そのものでしょう。これから、キャッシュフローを目的とする不動産業を始めるということは、「限られた入居者資源の奪い合いに参加する」ことにほかならないと思います。

「賃貸業も事業の一つですから、競争はあります。」と書かれていますが、私は、「賃貸業は事業で、利益は競争に勝つことで生まれます。」の誤植ではないかと思います。

勿論、沢さんは私の言うようなことは考えていらっしゃるので、

投資を始めるときの家賃設定を「間違いなく入居が見込めるレベル」で考えることによって、対策が出来るでしょう。

経営が安定していて、滞納保証もしてくれる管理会社を選んだり、入居の際には滞納保証会社と契約を結んでもらったりという方法が考えられます。

このように、「今」の需要は変化することを考慮し、需要が変わったらどう対応するか(対応できるのか)を考えておくことは、不動産投資家としてとても重要です。

いずれにせよ、金利上昇のリスクに関しては、何らかの対応策をとっておけば大きな問題にはならないと思われます。

20年先の状況を考えて、これらの判断を現在するのは、大変難しいと思います。

さらに、沢さんの考える収益モデルは、「日本の近未来は、一定の方向に『悪く』なっていくが、極端な変動は起こらない」という前提に立っているように思われますが、この仮定を疑う必要はないでしょうか?

いや、必要だと思います。沢さんも、分かっていらっしゃると思います。沢さんは、

ただし、自分の人生に必要な金額という意味で考えると、私の13億の投資は「ちょっとやりすぎたかな」と思うこともあります。最初のアパート一棟だけでも毎年200万円が残るのです。もし、手取りの家賃収入が数百万円でも良いなら、億を超える投資をする必要はなかったといえるかもしれません。

とおっしゃっていますが、本当にそんなことを考えているとは、私には思えません。

頭の良い方なので、「築中古アパート一棟を持っていれば、死ぬまで毎年200万円を稼ぎ出す」と暢気に思ってはいらっしゃらないでしょう。それで、物件を増やし、新築も建てて、もし社会に大きな変動が起こっても大丈夫なように、ご自分の「堅実不動産投資」を着実に進めているのだと思います。

私は、この本は、まとまったいい内容をもっていると思いますが、「懸命に働く日本のサラリーマン」が老後を考えて、キャッシュフローリッチな堅実な不動産投資を始めるための本ではないと思います。入居者獲得競争に参加し勝ち抜く意思を持った方々が、現在の不動産投資の状況を知るのに良い本だと思います。

オススメです。

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「40代からの堅実不動産投資」読みました。 への8件のフィードバック

  1. たろう のコメント:

    買い続けることが商材になっているってことですか?(ビッグネームのようですが、ミーはまったく知らないもんで、とんちんかんコメントですか?あはは)

    • 村兵衛 のコメント:

      たろうさん、今年も、よろしくお願いします。

      買い続けることを勧めるようなことは、まったくありません。
      でも、私は、本当に40代から始めるのに「堅実な」不動産投資法なのかなぁ、と思いました。

      後で、補足説明を入れるつもりです。

  2. ともきち のコメント:

    みんな余裕ぶっこいているように見えて、

    結構したたかです。

    バックボーンもいろいろありますしね。

    そんなことよりもなによりも、

    自分の考えで、自分が動くことが大事だと思います。

    • 村兵衛 のコメント:

      ともきちさん、はじめまして。
      記事を読んでいただいてありがとうございます。これからもよろしくお願いします。

      私も自分の考えで動くことが大事だと思います。
      それを十分分かった上で、この本を読むのであれば、大変良いと思います。
      「堅実不動産投資」なのだから、考えなくても大丈夫、と思うと、大変だと思いました。

      本自体の内容は、良いと思いました。

  3. 零細オーナー のコメント:

    この方の本は読んだことないのですが、ノムコムプロにコラムを書いていたのでそれは読んだことあります。(たぶんまだ読めると思います)

    何だかすごい内容だったような記憶だけあります。野村不動産アーバンネットの営業の方は皆レベルが高いという印象なのですが、それなのに不動産のプロなんて謳い文句でこんなコラム載せちゃっていいのかなあ、なんて。ちょっと営業の方々が可哀想かも、とか思いました。

    コメントし辛い内容ですいません。軽く流して下さい。

    • 村兵衛 のコメント:

      零細オーナーさん、あけましておめでとうございます。
      いつもコメント、ご指導、ありがとうございます。

      ノムコムプロは、寺尾さんからコラムを読み始めたのですが、確かに沢さんのコラムも見つかりました。また、読んでみたいと思います。

      私が疑問に思うのは、「本当に『堅実不動産投資』なのかなぁ」という点です。まあ、私がぼんくらなだけなのだと思います。

      どうぞ、今年もよろしくお願いいたします。

  4. ベアー のコメント:

    確かに、自分も1棟だけでも満室維持できれば家賃を月2万円に設定しても年間200万円は得られるかもしれません。
    実は当初は借金して新築しておいて言うのも何ですが無借金経営を目指していまして、15年程度で完全返済してしまおうと思っていました。
    この考えは今でも頭の片隅にはあるのですが、安定的に生活資金を得るため(といっても、空室リスクなどは常につきまといますが)には規模拡大と思ってしまいます。
    安定的に収入が得られる物件と思っても、実際はこの先の情勢なんて100%読めるわけじゃないですしね。

    • 村兵衛 のコメント:

      ベアーさん、あけましておめでとうございます。
      ブログでの情報、いつも面白く拝見しています。

      降りた私の考えを述べるのもなんですが、不動産投資で「時間は必ずしも味方にならない」と思います。

      特に、ローンを用いた場合に顕著だと思いますが、リスク分散は、物件(数・種類・場所・逐年数等)で行うことになり、ベアーさんの行動は、真に論理的だと思います。
      同様に、沢さんの投資行動も論理的だと思います。

      逆に、「何十年も利益を生み出す中古アパート1件探せ」というのは、大変難しいと思います。

      「不動産投資は、能力・努力があって、好きでなければ難しい」と言ってしまったほうが良いのにと思いました。

      私は、能力もなく、努力もしたくなく、不動産も別に好きでないので、降りました。
      でも、知識は増えているので、いつかは盆栽を育てるような不動産投資にカムバックできたらよいな、という希望はあります。

      今年もよろしくお願いいたします。

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